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2006-02-27

Vol.47「捨てる神あれば…」

 先日、ある女性シンガーのプロデュースから降りることになりました。

 彼女の仕事を始めたのは半年前のこと。別のアーティストとの仕事を経て私が強い信頼を寄せているA&Rの方から熱心に参加を請われたのがきっかけです。その後、実際に本人に会って音楽への強い意志を確認しましたし、何よりも「うた」の才能を感じました。

 秋頃から実際にオリジナル曲もいくつか作りました。待望のシングル発売が4月に決まった矢先…。先述のA&R氏が他セクションへ異動することになってしまいました。

 彼は自分がA&R職を離れた後もこの仕事を予定通りまっとうして欲しいと私に直接確認してきました。しかし私のプロデュースは、アーティストと同様に担当A&Rとの深く密な意思疎通が大前提。後任者と新たな信頼関係を築くには然るべき時間が必要です。結局、当初の制作スケジュールでは無理と判断した私は仕事を辞すことを申し出ました。大袈裟に言えば、音楽とは人と人の関係性が反映されるものという持論の実践でもあります。

 女性シンガーのマネージャーにも私の選択を伝えました。しかしマネージャー氏は「人事異動は会社が決めたことだから仕方ないし諦めもつくが、プロデューサーが降りるのは…」と。ん?非難の矛先は自分に向かっている?これって…会社の人事決定は天災、フリーのプロデューサーの辞意は人災、ということ?会社勤めの経験がない私はその論理がリアルに理解できないんだなあ。

 正直に言えば、今回の件に関して私は被害者意識を強く持っていました。自分を強く勧誘した責任者が不在となった現場にポツリと取り残された気分でしたから。ところが、そんな自分がどうやら最大の加害者と見做されているようなのです。私が甘かったか。

 「シングル発売を7月まで延期し、新任A&Rの方とコミュニケーションを深める期間を設けてくれたら…」と提案したのですが、「そんなに待てません」と即答されたのでありました…。うーむ。この女性シンガーの才能に強く魅かれていただけに残念。ま、ご縁がなかったということでしょうかねえ。

 実は昨年も私は数組の女性シンガーをプロデュース、ミックスダウンまで終えていたものさえ何曲かあるのですが、レコード会社やタイアップ先の意向ですべておクラ入りしています。ホント、女性とは縁がない。このままだとオクテになっちゃうよなあ…。

 ところが!捨てる神あれば拾う神あり。
 女性アーティストのシングルとしては実に数年ぶりの新曲が仲間由紀恵withダウンローズの「恋のダウンロード」なのであります。感謝。正直なハナシ、まさか仲間さんが扉を開いてくれるとは。音楽人生、ホントわからないもんです。

 それでは、また来週。

 


ついにジャケット完成!

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