Home > Archives > 2008-09-16

2008-09-16

Vol.70「2008年、夏の活動報告」

 思い出したように降りてくる陽射しには数週間前の強さはありません。何より執拗さが欠けている。今はもう秋。トワ・エ・モア。なんちゃって。
 それに比べると、夏の終わりの陽射しはどこか別れ際に踏ん張ってみせる恋人のようでした。今年にかぎったことではないけれど。
 嫌われても罵られてもめげることがない。邪険にされたところでお構いなしに懇願する。付きまとう。それまでの楽しい記憶を台無しにするような迷惑をかける。警察沙汰を起こすことさえある。しかし、別れてしばらく経てばそれもどこか懐かしい…。
 いや、そんな美しい話でもないか。ないですね。
 ま、昔から八月生まれの恋は長続きしないと言われる道理ですなあ。

 閑話休題、今夏の活動状況を以下ざっとまとめてみました。

 まず音楽プロデュースですが、その数、1曲のみ。別にサボっていたわけではなくて、その1曲にずっと掛かりっきりなのでした。コンセプトづくりに始まり、作曲、作詞、レコーディングそしてミックスダウン。音楽プロデュースと呼ばれる作業の範囲はケース・バイ・ケースですが、今回はゼロから100の工程まですべてに携わったせいもあり、気がつくと5月から3ヶ月以上を1曲のために費やしてしまいました。
 その曲とはEXILEの新曲「Ti Amo」。今月24日にリリースされる彼らのデビュー8周年記念シングル「The Birthday ~Ti Amo~」の表題曲となっています。すでに着うた配信が始まっていますが、本コラム読者のみなさんにはどうかCDもお手にとっていただきたいです。私のディスコグラフィーでいえばEXILE「Lovers Again」はもちろん、平井堅「TABOO」、そしてDOUBLE「残り火」のファンの方もきっとお気に召すことでしょう。
 近日中にあらためて書き下ろしプロダクション・ノーツを掲載しますね。

 テレビ番組『シンボルず』への楽曲提供がきっかけになって結成したエキゾチックJAPAN(ノーナ・リーブスの西寺郷太、ラクライの毛利泰士、そして私の3人組)は、これまで番組内コーナー『世界美女紀行』(私が命名しました)で「恋人はインド人」「チロルの風に誘われて」の2曲を発表しましたが、3曲目「サハラ砂漠で君と」の公開を前に、惜しくも番組が今クールいっぱいで放映終了決定。視聴率良かったのにねえ。早いねえ。MEGUMIさん産休だねえ。ねえねえ。
 現在は新たなる作品発表の場を検討している状況です。ご興味ある業界関係者はどうかご一報を!

 次はラジオ。前回コラムで筒美京平さんの特番出演の件はお伝えしましたが、他にも首都圏ローカルながらコメント提供やゲスト出演ならちょくちょくやってるんですよ。まあ急な場合が多いのですべての番組出演予告はできていませんが…申し訳ありません。
 そんな中、この1か月ほど構成・選曲に全力投球し、先日ようやくワンマン・スタイルでの出演収録をようやく終えたのが『秋の夜長の偉人達~マービン・ゲイ。そしてソウルが始まった~』です。はて、と気づいた方は鋭い。昨年8月にNHK-FMでお届けした『真夏の夜の偉人達~スティービー・ワンダー~』の続編的内容。放送は9月30日(火)23:00~25:00です。これは1週間にわたってのプログラムでして、他の曜日は29日(月)立川志らく「岡晴夫」、10月1日(水)藤あや子「エアロスミス」、2日(木)小川隆夫「ビル・エバンス」、3日(金)中村中「ちあきなおみ」となっています。
 というわけで、この夏はマービン・ゲイの音を聴き漁り、映像を見まくり、書籍を読み尽くしました。我が国屈指のマービン研究家・吉岡正晴さんからご提供いただいた資料および情報と、マービン(さらには後見人ハービー・フークワ)の音楽世界に通暁されている山下達郎さんからお借りしたレア音源のおかげで濃密な番組に仕上がっています。ディレクターは昨年に続き中野昭彦氏。是非ご清聴を。

 さてモントルー・ジャズ・フェスティバルに足を運んだことは前回お伝えした通りですが、音楽フェスといえば今年は東京の夏の名物フェス『J-WAVE LIVE 2000+8』(8月15、16、17日。代々木体育館)を全日程、全曲観ました。
私がプロデュースするアーティストが数多く出演してきたこのフェスも今年で9回目。毎年のように私も顔を出してきたのですが、知りあいが多いゆえの悩みもあって。親しいミュージシャンや関係者と楽屋で話しこんでいると、関わりのないアーティストのステージはついつい見過ごしてしまいがちなんですね。今年はそれを避けるべく、心を鬼にして楽屋訪問を封印。以前からの念願であった全日程・全曲鑑賞に成功した次第。
 全部を観たからこそ見える景色というものが確実にありました。フフフ。今回得たものをこれからの音楽制作に反映していければと思っています。
 ここで、ひとつだけ独り言を言わせてください。
 初日15日は終戦記念日でした。ましてや会場と隣接する代々木公園はかつて陸軍代々木練兵場だった、いわくつきの場所です。なのに、どの出演アーティストからもその件に関してのコメントが一言も発せられないのは、ちょっと不自然じゃありませんか?よりによって、この季節、この場所で。
 出演者リストにはエコロジーを標榜する某音楽フェスの常連アーティストも多く含まれていました。軍事や平和についての言及なくしてエコを語るのは画竜点睛を欠くというか、正直チャイルディッシュに思えて仕方ないのですが、どうよ?
 私の頭がカタすぎるのかしらん。

 最後に、フェスといっても映画祭のお話。
 私が主題歌と挿入歌(いずれもCHIX CHICKS)をプロデュースして今年劇場公開された映画『音符と昆布』が、第2回ソウル忠武路国際映画祭に正式招待されました。で、井上春生監督や主演の女優・池脇千鶴さんに同行して私も9月3日の開幕式に出席しました。チャン・ドンゴン等の韓流スターが大挙出席して会場は実に華やかでしたね。映画ファンとしては『ディア・ハンター』のマイケル・チミノ監督拝顔の栄に浴したのが嬉しかったなあ。
 とはいえ、井上監督や一志順夫、村山達哉松岡周作といったプロデューサー諸氏と飲み明かし語り明かしたのが何といっても一番の良き思い出に。2泊3日の旅程中、飲んで食べてばっかりだったなあ。
 最後の夜の打ち上げでスピーチに立った池脇さん、ついに「今回は監督と私以外は誰も仕事してません!」と怒りの告発。その通りなので文句は言えません…。でも、主演女優に怒られながら飲む酒も美味でしたぜ。
 これだからしょうがないねえ、酒飲みは。

 それでは、また次回。

Home > Archives > 2008-09-16

Return to page top