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2008-10-03

Vol.71「鴨居のマービン・ゲイ」

 前回のコラムでお伝えしたように、この夏私が最も精力を注いだ2つのプロジェクトはEXILEの新曲「Ti Amo」のプロデュースとNHK-FM『秋の夜長の偉人たち~マービン・ゲイ。そしてソウルが始まった~』の構成・出演でした。先週そして今週と相次いでそれらが世に放たれて、今はゆるやかな充足感を味わっているところです。

 各メディアの報道でご存じのかたも多いでしょうが、「Ti Amo」は上々の滑り出し。14の配信チャート、そしてオリコンのシングル週間チャートでも軒並み首位を獲得しました。応援ありがとうございます。どうか、ひき続き「Ti Amo」をご贔屓に。そして、EXILE and HIROのみんな、おめでとう!
 前回予告したこの作品の極私的プロダクションノーツは次回のコラムに掲載しますね。

 そして、マービン・ゲイ特番。こちらも反響をいただきました。当ホームページに限って言えば、寄せられたお声の数は「Ti Amo」より多かった!ま、ここは特殊空間ですからねえノみなさんの存在を私は誇らしく思っていますよ。

 せっかくの熱が冷めないうちに、番組内容の補足を。
 まず、番組収録が9月初めだったせいで、同月16日のノーマン・ホイットフィールド逝去について言及できませんでした。この場を借りて追悼の意を表します。合掌。
 あと、これは細かい話ですが、レインボウズやマーキーズ時代のくだりで「地元のデトロイト」と言っちゃいましたね、私。番組を冒頭からお聴きのみなさんは文脈で明らかに発言ミスとお気づきになられたことでしょうが(むしろそれを期待!)、正しくは「地元のワシントンDC」です。というか、その前に「ホワッツ・ゴーイング・オン」が大成功を収めた後にDCに凱旋してケネディ・センターでライブを催した話を延々としてるわけで。誤解を招いたかもしれません。失礼しました。
 「リック・ジェームズ、ピーボ・ブライソンといった新興勢力に対しての焦燥」「名曲『セクシャル・ヒーリング』のコーラス・アレンジにおけるハービー・フークワの低音パートの重要性」「ハービーとベリー・ゴーディー」などなど、お話ししたいことは沢山ありましたが、2時間ではとてもとても。
 今回にかぎらず、私はラジオやテレビでの音楽解説に臨む時は下準備を入念にやるタイプです。勿論、音源や資料も十分に取り寄せます。好きなんですね、この仕事が。ただ、おしゃべりのライブ感は損ないたくないので、収録スタジオには資料をほとんど持ち込まないのですよ。早い話が本番では手ぶら状態です。
 持ち込み不可で歴史の試験を受けると、人名や年号はいつも完璧には答えられない性質でした。そのあたりが話し手としての私の限界。でも、音楽そして音楽番組で何よりも優先すべきは「流れ(flow)」でしょう?だから録り直さなかったのさ。許してね。

 以下、余談として。
 番組を聴いたという姉から「あなたは昔からマービン・ゲイが好きだったよね。高校時代に部屋にポスター飾ってたでしょう?」というメールをもらいました。
 そんなこともあったっけ…と記憶を紐解いてみたら、確かに飾っていましたね。ポスターではありませんが『That Stubborn Kinda’ Fellow』のLPジャケットを。私の部屋は和室でしたが、その鴨居にはいくかのアルバムを横並びにして飾っていたものです。
 さながら「鴨居LPミュージアム」。この字面そのものが「洋楽好きな昭和の日本人」ですな。
 ミュージアムの「陳列作品」は、前述のマービンのほかにルーサー・バンドロスの『Forever, For Always, For Love』、ボビー・ウーマック『The Poet』『The PoetII』、シェリル・リン『Instant Love』、コン・ファンク・シャン『Spirit Of Love』、アイズリー・ブラザーズ『The Isleys’ Greatest Hits, Vol. 1』、アイズリー・ジャスパー・アイズリー『Broadway’s Closer to Sunset Blvd.』あたりだったかと。
 それぞれのアーティストの代表作ばかりではないところが、今思えば所詮十代趣味ですわ。音楽史的な位置づけなんて知らずに楽しんでたもんなあ。そのくせ、OOOO(当時は新鋭、現在はノーベル賞候補!)の小説なんて産業廃棄物モノだ、志賀直哉や吉田健一の日本語こそ美しい、とか何とかホザいてたわけで。
 ウザかったねえ、昭和の高校生は。

 それでは、また次回。

 

  

  

 

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